ここに決めた、ここの魅力は何ですか?

ははっ、何ですかね。



西米良村の小川に来て早2ヶ月。
あっという間の6月。
サツキとメイはどこへ行ったんだと思うほどですね。


宮崎日日新聞で取り上げて頂いたこともあり、
村の人を始め、お客さんにもよく訊かれます。
ここの好きなところ、魅力は何ですか?田舎・自然が好きなんですか?



ははっ、どうですかね。
訊かれる度に、考えてます。
よくわからないから。笑


だから、
えっ?そこでしょ?じゃあ、なんでここにいるの?って顔をよく見ます。


そして、
そんなやりとりがなくてもなんでそこにいるの?ってのは、あると思います。


だから、今日は自分に訊いて、考えて、書き留めてます。
(一つ断っておきますが、言葉が過ぎたり足らなかったり、難解です。そして長い!
 これをきっかけとしてお話出来れば幸いです。)




そう、今僕は宮崎県児湯郡西米良村の小川にいます。
好きと言えば好きですが、
きっと、特別自然が好きな山ボーイや川ボーイ(そんなんあんのか?)でも無ければ、
田舎好きだったり、都会の喧騒が嫌でも無く、
スローライフや自給自足に憧れているわけでも無いです。


さして特徴も無い人間ですが、
強いて言うなら多少頭が悪く、わがままななまけものです。


そんな僕は、
小さい頃、自分で自分の家を建てようと思いました。
そしてある時、
まあ、しかし、それは勝手にやればいいから、
仕事にしなくてもいいよな、じゃあ、仕事ってやつは何をしようかな、
そんなことを考えつつ大学では土木を学びました。


でも、
自分の家のことでも土木のことでも、
設計がしたいわけでも、自分でつくりたいわけでも無く、
それをしたい。
そう思っていました。


きっと、
そこを使う人、関わる人や何かにとってのよい場を設計したい!つくりたい!
そんな熱意の漲る人間だったり、何かしらそんな思いがあったりすると、
それを仕事にしようと思えるのかもしれません。


でも僕はずっとなまけもので、
自分に直面しなければ見えてこないし、
動きも遅い。
(まあ、直面してもそう見えていないし、遅くはある)


直面する程に見えなくなることも多くあると思うし、
それはものやことに対する距離感や向き合い方なんだろうと思うから、
何がどうというわけでは無いけど、
僕がどう生きていきたいかは少しわかってきました。


そんなわけで、
僕はこんな距離感や向き合い方でものやことにあたって生きていきたい。
そう思ったわけで、
そんな色んな距離感や向き合い方の人間(僕みたいな人も)が
生きて行けるといいんじゃないかと、
僕が生きていくためにも思い、そんな場をつくろうと思ったわけです。


これは何というか、
僕が生きていることが僕のやりたいことの一つのゴールというか、
こうやって生きていくことが仕事というか、ははっ。




僕にとっての、小さい頃に思った家も、土木も、デザインも、
僕の距離感、僕の向きあった生き方が行うこと、行っていること、なのかなと思います。
(ほんのわずかなところ)


この距離感や向き合い方は変わる部分もあるかもしれないし、
そうなったときに何をやっているかはわかりません。


やってること全然違うじゃん!専門外のことだね。そう言われることもありますが、
まあまあ、お手柔らかに。


(誤解の無いように具体的にも書いておきますが、
 設計も計画も、自分でつくるのも好きです。考えるだけでにやにやしています。)





じゃあ、何で西米良村の小川にいるの?と問われると、
それは縁です。


僕が前述のような、ある種の決断というか決意というか、
僕というあきらめをしたような後に関わりました。


そして、
こんな僕を受け入れてくれるような場がありました。
正確に言うと人がいました。
人は人ですけど、場でもありますよね。


こんな思いを知った上で、です。
すごいですよね。
僕がつくらずともあるなんて、素敵な世の中じゃないですか。
そうでありたいですね。




しかし、まあ、そう考えると、
そこは、ここの魅力ですね。
人が魅力と言うと、何だか月並みでぼやけるような気もしますが、
このような人間を受け入れもする、人という場があると言うと、
少しは伝わるような気もします。


そんな場に、
僕もあれたらなと思います。


(もちろん他にも魅力的なところや好きなところはいっぱいあります。
 そこはまた、じっくり、ぼちぼち。)





そうですね。
それは、人という場です。

               富井俊